ぼく、ヌメラともうします。特徴としては弱いなんてことをよく言われますが、それはぼくの仲間みんながそうなので、ぼくだけの個性ではありません。なので、ぼく自身の特徴をいうとしたらそれはみんなより少しぬめぬめしているところです。とにかく、体からいっぱいのぬめぬめが出てしまって、自分の歩いた後をふりかえると、かならずボクのぬめぬめが光って道みたくなっています。
ぼくの知らないところでいろいろなものを汚してしまうので、なかなか困った特徴です。
のおうちにの家族と住んでいた頃を思い出すと、何かするたびにお母さまに怒られていたことが一番に思い浮かびます。お母さまはぼくが悪いことをしてしまうから怒るだけで、ふだんは優しい人です。ほかにも楽しい思い出はたくさんあったのですが、ぼくはおうちを汚さないようにバケツとかタライとか、はたまたお盆の上だとかでじっとしていることが多かったです。
それでも今のぼくが、ぼくのぬめぬめをあまり嫌いになれなかったのは、がぼくを愛情を込めて育ててくれたおかげです。
例えば、ぼくが家を汚してしまい、厳しい言葉をお母さまに言われていたとします。申し訳ないと、猛烈に反省するのですが、ぼくは怒られているとますます、ぬめぬめとしていまうのです。それをは知っていてくれました。ぼくがお母さまに怒られているのを見つけると、はさっとぼくをバケツにつっこんで助け出すのでした。
「ヌメラ、お外で遊ぼ。お外ならぬめぬめしほうだいだよ」
だけはぼくのぬめぬめをなんとも思っていないみたいでした。
また、こんなこともありました。ぼくがお盆の上から動けないでいるとは飛んできてお盆ごとぼくを運びます。それで窓辺とか、テレビの前とか、の横にぼくを置いといてくれるのです。ぼくはぼくのぬめぬめを受け止めてくれるものの上でじっとすることが多かったですが、のおかげでたくさんのところでじっとすることができました。
ぼくはのすみずみまでが好きですが、ぼくが何より好きなのはのてのひらです。
のてのひらは熱いです。それがぼくのぬめぬめに絡まって、ぬるい温度でぼくをなでたり、もみまわすのです。それがとっても気持ちいいんです。ぼくはふにゃんふにゃーんって、とけそうになるのです。
「あはは、だらしない顔」
ふにゃんふにゃんになっているぼくには呆れて笑ってるの言葉も気持ちいいのです。そしてぼくはうっとりして、たくさん体を濡らしてしまいます。
ぼくが体中どろどろになるとは指はすべってぼくをつかまえられなくなります。するとぼくとの、つかむかつかまれるかの遊びがはじまります。
だいたいはぼくの勝ちです。と遊んでいると楽しくて、ますますぼくはぬめぬめします。といて、ぬめぬめしなくなることは絶対にありません。楽しくてぬめぬめのぼくをはつかめないです。
楽しい遊びが終わるころにはもぬめぬめです。ふたりともぬめぬめになったころににたいあたりをすると、は「ヌメラ、くすぐったいよ」と、言ってたくさん笑います。
には今、夢があります。
「わたし、ビキニのお姉さんになるんだー。だって汚れる洋服なんで来ててもムダでしょ!」
ぼくは今までビキニのお姉さんを見たことありますがが、あまりにはにていません。はお姉さんというよりは、まだまだうきわの似合う女の子です。むねもぺたんこです。でもぼくはの夢を応えんしています。
ぼくはぼくの夢がわかりません。きっとないんだとおもいます。だって今日もと一緒にいると思うと、とほうもない未来のことはどうでもよくなってしまうのです。
ぼくは、ぬめぬめとしてしまうヌメラです。でもぼくはぼくが嫌いじゃありません。お家を汚してしまうのはいやですが、と遊ぶととても楽しいからぬめぬめのままでいいやって思います。
、ありがとう。ぼくはがビキニのお姉さんやおばあちゃんになっても、ずっといっしょにいたいな、と思います。も、ぼくがヌメルゴンやぬめぬめしないヌメラになってもずっといっしょにいてください。